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近代絵画の先駆け:セザンヌとピサロ1865−1885展 Pioneering
Modern Painting: Cézanne and Pissarro 1865-1885 6/26−9/12、2005 The
Museum of Modern Art 本展が網羅するのは、1865年から1885年。
MoMAとしては随分時代をさかのぼる
印象派最盛期 。
この年代は、近代絵画の父、ポール・セザンヌ(1839−1906)が“師”と呼んだカミーユ・ピサロ(1830−1903)と出会い交流した時期でもある。本展の企画者ヨアキム・ピサロ(ピサロのひ孫にあたる)は、この時代が近代絵画の幕開けだと語る。
ピサロ、“セザンヌの肖像画” Camille
Pissarro. Portrait
of Cézanne (Portrait de Cézanne).
1874. Oil
on canvas, 28 3/4 x 23 5/8” (73
x 60 cm). Collection Laurence Graff 二人が初めて会ったのは1861年、パリの美術学校アカデミー・シュイスにおいてのこと。ピサロはカリブ海セント・トーマス島出身。セザンヌは、南フランス、エクサン・プロバンス出身。ともに地方出身でありパリの美術界ではアウトサイダー的な存在だったことが
二人が親しくなった理由の一つとも言われる。1863年、美術アカデミーの基準に対し不満が大きく持ち上がった年、サロンの審査にもれた二人は、モネとならびあの有名なサロン・デ・レフュゼに出品する。 1872年、セザンヌがパリ北西のポントワーズに住むピサロをたずねる。セザンヌは、ピサロの作品を借り受け、模写から始めたと言う。しかし模写に終わらず、新しい絵画の方向性を探っていた。二人は、屋外でイーゼルを並べて制作するようにもなるが、表現の違いは例えば同じ風景を描いたポントワーズの作品に表れている。
ポントワーズの風景画が示唆するように、1882年頃には二人の関心は違った方向に向かい始める。ピサロは、スーラーやシニャックをはじめとする後期印象派の点描表現に傾倒し、セザンヌは、より面的なタッチで構築的な構図を意識した絵画へと向かっていく。
ピサロ、“森の外れエルミタージ、ポントワーズ” Camille
Pissarro. Edge
of the Woods near L’Hermitage, Pontoise (Le Fond de l’Hermitage, Pontoise).
1879. Oil
on fabric, 49 3/16 x 63 3/16” (125
x 163 cm). The Cleveland Museum of Art. Gift of the Hanna Fund, 1951. 後にセザンヌは、ピサロについて「もし彼が1870年代頃のように描いていれば、私たちのなかで最も感動的であり得たのに。」と語っている。しかし、初期のピサロへの敬愛はやむ事がなく、晩年の
展覧会カタログに“ピサロの弟子”と記し、
最晩年には彼を“神のようだった”とも回想する。かたやピサロは
、1895年にセザンヌの作品を購入している。また、親しかったころを振り返り「セザンヌは私の影響下にあり、そして私も彼の影響下にあった。」と語っている。師弟間には敬愛とともに静かな相克があった。
セザンヌ、“ジャレ坂、ポントワーズ” Paul
Cézanne. Jalais
Hill, Pontoise (La Côte du Jalais à Pontoise).
1879–81. Oil
on canvas, 23 5/8 x 29 3/4” (60
x 75.6 cm). LVMH / Moët Hennessy. Louis Vuitton Collection. © Patrice Schmidt, Musée d’Orsay, Paris 2004. 本展では、ほぼ年代ごと肖像画や静物画といったテーマに沿って
二人の作品を併置させている。その展示方法は、数年前のMoMAクイーンズで行なわれたマチス・ピカソ展を彷彿させる—多くがのどかな風景画で、マチス・ピカソ
間の様な強烈なやり取りは感じられないが—。しかし、二人の作品の比較は
美術史に於ける近代絵画の一つの歩みを
浮き彫りにするものだろう。なぜなら、セザンヌは、ピサロに出会い、そして彼と距離を置くことで自身の絵画の方向性を見いだし、強いてはキュビズムをはじめとする20世紀美術に大きな影響を与える画家へと成長するからだ。
9/9、10にはモマで本展に関連したシンポジウムが予定されている。 (Yoko Yamazaki) |
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