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Whitney Museum 展覧会名 Edward Hopper, Printmaker エドワード・ホッパー、版画家展にて
初めてアメリカ独自の絵画を作り上げた画家ホッパ- エドワード・ホッパーと言うのはね、僕がニューヨークに来て始めて感動した画家なわけ。 日本はアメリカのスーパースターだけしか紹介しないからね、ポロック、ジャスパー、ウォホール。 ホッパーみたいな地味な絵描きは人気が無いんだね、しかし彼は超大物だぜ。 この部屋は彼の作った版画とドローイングが集められているんだ。 彼は昔バイトで挿し絵をやっていたんだ。でも彼の絵は何だか固い四角四面な感じ。 人間が地味な人だったたんだろうねぇ、要するに牛ちゃんとは全然正反対なタイプの人だったんだな。 彼のビレッジに住んでいたアパートは今でもあるよ。 そこに住んでね、奥さんと共に読書好きだったんだな。 そしてパリに3年ぐらい留学してたんだ。パリで描いた彼の絵面白くないねえ。 印象派の天才達に較べ全く下手だ。 たとえばロートレックの筆捌きとか ピカソの悪魔的なものとか、ゴッホの激情とか。ホッパーの絵は表面でなく裏側に、したたかな情熱が隠されているような気がするよ。 パリから帰った彼は、アメリカ人の描くアメリカの風景と云うものを自分の基礎においた。 一切ヨーロッパに影響されないもの。 アメリカの白けた風景、たとえば白ペンキの木造の家、鉄道、灯台、神秘感の皆無な森、ハイウエー、人気の無いガソリンスタンド、真夜中の数人しかこないカフェーとか、人工的なものをね。 そういう物を絵にしようとしたんだ、わざと。ヨーロッパ流に見たらぜんぜん絵になりそうに無いものを、わざと選んでいるみたいだよ。 僕は留学1年目ぐらいで、車でニューヨークの郊外に行ってみて、はっ とホッパーの絵が解った気がしたよ。 アメリカの郊外の風景と来たらただ森があって、ハイウェーだらだら、汚い池がぽつんぽつん。 こんなものを絵にしようとしたホッパーに、彼の本当のすごさがあるわけよ!
(次の作品の前で) 観てよこのヌード! こんな下手なヌードじゃあ、芸大でも入れないよ。 彼は知ってたんだねえ。 自分に才能がないって云うことを。 それを逆手にとったわけよ。 そこで初めてアメリカ独自の絵画を作り上げたんだな。 彼を一生絵の虜にしたのは、知性・教養が生み出す力強い意思力があったからだよね。
・銅版画 COPPER PRINT
©Whitney Museum of American Art
The Lighthouse (Maine coast) 1921 etching
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