コンテンポラリー・ヴォイスィーズ：UBSアートコレクションより

Contemporary Voices: Works from the UBS Art Collection

The Museum of Modern Art

２／４～４／２５、２００５

　

Susan Rothenberg

1, 2, 3, 4, 5, 6, 1988

Six panels

The Museum of Modern Art, New York.

Partial and promised gift of UBS

会場風景

Photo©  Y. Yamazaki

　

                   モマ改装後、６階ギャラリーにおける初のフルスケール展覧会。スイスに拠点を置き、国際的に現代美術のサポートをするUBSアートコレクションから６０数点の作品が公開される。うち４０点は、モマ７５周年を記念し、またマンハッタンへの里帰りを記念して同コレクションからの寄贈だという。本展でのメイン展示ともなっているスーザン・ローゼンバーグの壁画スケールの連作絵画”１、２、３、４、５、６（１９８８）”も寄贈作品の一つ。モマデフィレクターのグレン・ローリーは、プレス会見で、その幸運を強調し、会場から笑みがもれていた。

　

Willem de Kooning

Untitled III, 1982

Oil on canvas

80 x 70" (203.2 x 177.8 cm)

The Museum of Modern Art, New York.

Partial and promised gift of UBS

© 2005 The Willem de Kooning Foundation/Artists Rights Society (ARS), New York

　

　

Lucian Freud

Double Portrait, 1988-90

Oil on canvas

44 1/2 x 53" (113 x 134.6 cm)

UBS Art Collection

© 2005 Lucian Freud

　

　

                   本展では絵画を中心に、ドローイング、写真、立体作品など現代美術を代表する５０人のアーティストが選ばれている。展覧会のキュレートを担当したアン・テムキンは、作品選択にあたり考慮した点について、それぞれの作品が、各々のアーティストの転機あるいは重要な要素を示す作品であることだと語った。例えばチャック・クローズ９１年のセルフポートレイトなどは、その後の彼のテーマともなったもの。トーマス・シュトルートの８９年の美術館での写真も含まれるが、その年に彼の美術館シリーズが始まっている。また、フィリップ・ガストンの"スタジオ（１９７９年）”は、珍しい晩年のセルフポートレイト。そればかりかモマ常設展示のマチスの”赤いスタジオ”を連想させ、近代美術と現代美術の関連も示唆する。

　

　

Chuck Close

Self-Portrait, 1991

Oil on canvas

100 x 84" (254 x 213.4 cm)

The Museum of Modern Art, New York.

Partial and promised gift of UBS

© 2005 Chuck Close 

  

　     

Philip Guston

In the Studio, 1975

Oil on canvas

82 x 79" (208.3 x 200.7 cm)

The Museum of Modern Art, New York.

Partial and promised gift of UBS

© 2005 The Estate of Philip Guston

 

                   ドナルド・ジャッドやシンディー・シャーマンなど、アメリカの現代美術にかかせないアーティストはもちろん、８０年代の新表現主義と呼ばれたイタリアのフランチェスコ・クレメンテ、ドイツのアンゼルム・キーファーも含む。シグマー・ポルケやゲルハルト・リヒターといったドイツ人アーティストもちろん登場する。過去３０年間のアメリカの現代美術史がわかりやすく表現された展覧会。

（Yoko Yamazaki)

Francesco Clemente

Perseverance, 1981

Oil on canvas

6' 6" x 7' 9" (198.1 x 236.2 cm)

The Museum of Modern Art, New York.

Partial and promised gift of UBS

© 2005 Francesco Clemente