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プリンストン大学美術館

Princeton Univrsity Art Museum

Princeton, New Jersy 08544-1018

時間:火曜ー土曜 10: 00a.m. - 5: 00p.m.,日曜 1: 00p.m. - 5: 00p.m.

閉館日:月曜、主な祭日(詳しくは要連絡)

Tel: (609) 258-3788

www.princetonartmuseum.org


セザンヌ・イン・フォーカス (Cézanne in Focus)

10/19, 2002 - 1/12, 2003


                       
ニューヨークから離れて少しゆったりとした気持ちで美術を堪能したいという人には、プリンストン大学構内にある付属美術館は最適な場所かもしれない。大学付属というだけあり、研究の資料としてルネサンスから近代のヨーロッパ美術はもちろん、エジプト、アジアの作品もそろい、見ごたえは十分。マンハッタンからはNJトランジットならば約1時間。プリンストン・ジャンクション(Princeton Junction)駅でシャトルに乗り換え、数分で大学構内へ。由緒ある大学建築を探索しながら美術館へ辿り着く事ができる。



カラフ、ボトル、果物のある静物,1906
©2002 Princeton University Art Museum



シャトー・ノワール公園にある貯水槽、1895ー1900
©2002 Princeton University Art Museum

                        この大学付属の美術館、単なる作品の展示のみならず,ニュージャージーの文化的な発展を担う施設の一つとして、独自のプログラムを展開、企画展も開催する。今回紹介したいのは、近代絵画の父とも呼ばれるセザンヌの水彩画展、セザンヌ・イン・フォーカス。計16点の作品が展示された。これは、ヘンリー&ローズ・パールマン・コレクションから1976年より美術館に貸し出されていたもので、耐光性に欠くその繊細なマテリアルから公開されることがほとんどなかったが、大学側と美術館側両者の協力で初めて展覧会が実現した。

 

森の小道,1904ー1906

©2002 Princeton University Art Museum

 

噴水、市庁舎広場,1900
©2002 Princeton University Art Museum

                        セザンヌは生涯に600を超える水彩画を残したというが,彼自身その価値を重要視していなかったようで、彼のスタジオには水彩画が気まぐれに積み重ねてあったそうだ。当時は未だ水彩画が油絵の習作として意識されていたためだろうが、それにしてもセザンヌの水彩画は、三原色でもある、赤,黄,青を基調に、紙の白い地色を生かした描きかたで、非常に透明感が高く、美しい。時として全く未完のまま筆が止められたような水彩画もあるが、完成作品である油絵との比較により,それがセザンヌの制作過程に於ける試行錯誤を探る資料であるのは間違いない。

 

三個の洋梨,1888ー90
©2002 Princeton University Art Museum

                        大学院生も調査に参加して出来上がったレゾネ形式の展覧会カタログは、セザンヌの水彩技法に着いてのエッセイはもとより,修復保存の見地からフィラデルフィア美術館の修復家のエッセイも盛り込まれており、今後のセザンヌ研究の貴重な資料となりそうだ。展覧会にあわせて、一般へも公開したレクチャー等の特別イベントもくまれた。大学という研究の場が積極的に社会にその成果を公開した好例だろう。

Yoko Yamazaki)

                       

 

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