Whitney Museum of American Art
(ホイットニー美術館)
住所 945 Madison Avenue at 75th Street, NYC
電話 (212)570-3676
火~木 11:00A.M.~6:00P.M.
金 1:00P.M.~9:00P.M. (第1週木曜日 6:00P.Mから9:00P.M.料金任意)
土、日 11:00A.M.~6:00P.M.
月 休館
一般 12.50ドル
MICHAL ROVNER: THE
SPACE BETWEEN
ミッシェル・ローバー:空間の間
イスラエル、テル・アビーブに生まれたローバーは1987年にニューヨークへ移住。現実とフィクションの境目を追求するような写真、フィルム、ビデオを創り続けている。
他の大勢の外国人作家のように、ローバーの作品は自分のルーツに深く関わりながら地球レベルの視点を持っている。現実の、または架空の情景を映像として捉え、暗室で解像度や色を変化されることによって独特の現実に属しながら、現実的でない情景を生み出す。
Outside #10, 1990/91
Chromogenic color print, 19 x 19 in.
Collection of the artist, New York.
Photograph by Matt Flynn.
展覧会の一番初めに登場するシリーズ「外」Outside
(1990-91)は、イスラエルの砂漠にぽつねんと建つ流浪者の小屋に焦点を当てた。各画像の色、サイズ、焦点を微妙に変えながら小屋の存在を内側から探っている。何度もこの小屋の建つ地を訪れ、小屋がなくなっていた時、ローバーは次の被写体を探しに砂漠を歩き続けた。
「自然を相手にした一人遊び」One-Person Game Against Nature (1992-93)では死海に浮遊する人の姿を撮影した。
過去5年間は写真作品に加えビデオ、場所限定のインスタレーション作品を制作している。1996年から97年に掛けて制作された48分間のビデオは、レバノンとイスラエルの国境で撮影され、「架空のドキュメンタリー」と呼んでいる。ローバーとイスラエル軍曹がレバノンへ向かっている様子を基にしながら、画質と音をコントロールして軍事紛争を特定せずに漠然と捉えようとしている。軍曹の言葉が心に残る。「今ここで爆弾が落ちてきたら俺たちは死ぬけど、おまえのビデオはアートとして残って有名になるんだ。」「これは終わりのないゲームだ。おまえのビデオはお前が話しの終わりを決められる。」「お前はビデオが完成したらそれが認められて評されるけど、俺にはなんにもいいことがない。続いていくだけだ。」同じ年に制作された「共有する興味対象」Mutual
Interestはこのビデオ作品にも登場する鳥に焦点を当てている。ローバーが捉えた鳥は、ヘリコプターのプロペラ音やマシンガンの発砲音をバックに時に一羽で、時に群れで飛んでいる。
ビデオインスタレーション「宙ぶらりん」Overhanging
(1999)は展覧会の一番最後の作品だ。5m四方ほどの部屋の壁一面を「人」が列を成して手を取り合って一方向に行進しつづける。低音のうなり声が手伝って死の行進という言葉が頭に浮かんだ。
Decoy #3
1991
Chromogenic color print, 49 1/2 x 48 1/2 in.
Whitney Museum of American Art, New York;
Purchase, with funds from the Harriet Ames Charitable Trust
Miya Hideshima
One-Person Game Against
Nature #22
1992/93
Chromogenic color print
28 1/2 x 28 1/2 in.
Collection of the artist
One-Person Game Against Nature #9V
1993
Chromogenic color print
30 3/16 x 40 1/4 in.
Collection of Emily Fisher Landau.