ホイットニー バイアニュアル2006
デイ フォア ナイト
ホイットニー美術館
Whitney Biennial
2006
Day for Night
March 2 – May28,
2006
Whitney Museum of American Art
945 Madison Avenue at 75th Street New York, NY 10021
Photo© S. Yoshida
今回のバイアニュアルは前回までとは少々おもむきが異なる。一つは 展覧会にタイトルが付けられたこと。Day for
Night は、フランソワ•トリュフォーの映画(La Nuit Américaine, 邦題 :
映画に愛を込めて アメリカの夜 1973)のタイトルからとられた。“Américane” は、映画の撮影手法の一つで、
昼間のシーンを、フィルターを使って、夜のシーンにかえるもの。映画自体は、いわば映画のなかの映画と呼ばれるように映画の撮影シーンをあつかったもので、ストーリーらしきものがありそうでないような、虚構と現実の境を曖昧にしたようなものだ。
Photo© S. Yoshida
アメリカ以外の、ヨーロッパ圏からの作家が含まれるのも今回の特徴の一つ。キュレートを中心的におこなったChrissie
IlesとPhilippe Verbneも、ともにヨーロッパ出身。バイアニュアル自体が新たな切り口を模索しているようでもある。
Photo© S. Yoshida
ホイットニー バイアニュアルの歴史は意外に古く、美術館創設の頃にさかのぼる。1932年に始まり、絵画や彫刻といった伝統的な形式からヴィデオやインスタレーション、実験的なメディアを取り入れ、現在のような形になったのは1973年から。(S.
Yoshida)
Photo© S. Yoshida