ロバート・スミッソン展
Robert
Smithson
6/23-10/23, 2005
Whitney
Museum of American Art
Mirror Displacement (Cayuga Salt Mine Project), 1969/2004
Mirrors; rock salt (retrieved 2004)
Eight mirrors: 24 x 24 in. each; approx. 11 x 360 x 30 in. overall
Statens Museum for Kunst, Copenhagen
Art © Estate of Robert Smithson/ Licensed by VAGA, New York, NY
1960年代後半から70年代にかけて、
自然の岩や泥をそのまま美術館に持ち込む、それまでの絵画・彫刻といった形式にとらわれない作品が出現する。あるいは
屋外で掘削や埋め立てを行なったものもあり、それらは、その場所がそのまま展示場所となった。実際にその場に訪れないと作品を見る事ができない(あるいは訪れても巨大すぎて航空写真でしか全貌を把握できない)サイト・スペシフィックな特徴をもった彼らのアートは、アースワークと呼ばれた。
アーティストには、マイケル・ハイザー、ウオーター・デ・マリア、などがあげられるが、なかでもスポークスマン的な存在だったのがロバート・スミッソン(1938−1973)だった。(執筆も多く、1996年には著作集が出版されている。)
“スパイラル・ジェティー”施行中のスミッソン
Smithson building Spiral Jetty (1970)
Great Salt Lake, Utah, April 1, 1970
Photograph © Gianfranco Gorgoni, 1970
Art © Estate of Robert Smithson/ Licensed by VAGA, New York, NY
スミッソンの代表作品は、ウタ州グレートソルトレークにある“スパイラル・ジェティーSpiral Jetty, 1970”。
約4.5メーター幅の土手の渦巻きが湖岸からつきだすというもの(渦の直径は約4.5キロ。ブルドーザーで6,650トンもの岩と砂が運ばれた)。本展では
構想段階での数々のドローイングを展示し、一展示室では、壁一面にジェティー製作の過程を紹介するフィルムも上映する。
Four-Sided Vortex, 1965
Steel and mirror
35 x 28 x 28 in.
Estate of Robert Smithson; courtesy James Cohan Gallery, New York
Photograph by Christopher Burke
Art © Estate of Robert Smithson/ Licensed by VAGA, New York, NY
スミッソンは、自分のアースワークを飛行機で監視中事故に会い35歳という若さで亡くなっている。本展は、20代後半のコンセプチュアルでミニマル的な作品や30代で亡くなる直前までの作品を網羅する他、10代から20代前半に制作されたドローイング、ペインティング、コラージュも含み、アメリカでも大掛かりな回顧展となった。モカ(The museum of Contemporary Art, Los Angeles)のキュレーター,ユジェニー・ツァイの企画による。
Feet of Christ,
1961
Watercolor and Ink
18 x 14 in.
Estate of Robert Smithson; courtesy James Cohan Gallery, New York
Art © Estate of Robert Smithson/ Licensed by VAGA, New York, NY
この秋(9月17−18、24−25)には、1970年にスミッソンが企画しながら実現に至らなかったプロジェクト、“浮動する島Floating
Island to Travel Around Manhattan
Island”が実現化される(非営利のアート・オーガナイゼーション、ミネッタ・ブルックとホイットニーとの共同制作。)ハドソンリバー、イーストリバーにて公開される予定。(Yoko
Yamazaki)