スターウォーズ: マジック　オブ　ミス展

The Brooklyn Museum of Art

ブルックリン美術館

200 Eastern Parkway Brooklyn, NY

電話（７１８）６３８―５０００

ＵＲＬ http://www.brooklynart.org/exhibit_list.html

水、木、金 10:00A.M.~５:00P.M.

土、日 11:00A.M.~ 6:00P.M.

月、火休館

入場料任意

スターウォーズ: マジック　オブ　ミス展

ブルックリン美術館

4／５～７／７、２００２

スター・ウォーズ展は、ワシントンD.C.のスミソニアンの企画による展覧会で、サンディエゴ、シカゴ、ヒューストンとアメリカ国内を巡回し、ニューヨークではブルックリン美術館にて4月から７月7日まで公開された。ブルックリン美術館でのショーがアメリカ国内最後の展示となり、９月からは、オーストラリア、シドニーで開催の予定となっている。スター・ウォーズ展のデビュー会場となったナショナル航空宇宙博物館では、百万人以上の入館者を記録し、スミソニアン史上最多の入館者数記録をだした展覧会の一つとなった。ブルックリン美術館においても、この展覧会は新しい層の入館者を運んだようだ。確かに映画の人気効果というべきか、ベビーカーを押す家族連れや高校生の集団が目につき、会場はさながらアミューズメント・パークのような趣があった。展覧会場出口近くにおかれた感想ノートに目をやると、“いままで経験した中で一番の展覧会だ”、などという興奮したコメントが多く寄せられていた。

展覧会は、ジョージ・ルーカス監督の”スター・ウォーズ”三部作、"A New Hope", "The Empire Strikes Back", ”Return of the Jedi"、そして”Episode I" の４つの映画に焦点をあてたものだ。広い会場に大きなショーケースが点在し、その中には、ストーリーの中で最も人気のあった３０をこえるキャラクターモデルが実際に用いられたコスチュームや小道具とともに並んだ。四方の壁にはオリジナルのイメージスケッチ、そして実際の映像写真が比較できるように展示された。映画館さながらの大スクリーンも設置され、壮大なイメージを常に提供するルーカス映画に負けない全体のデスプレー。映画作りに携わる様々なアーティスト達の舞台裏での意気込みが伝わった。

ポピュラーカルチャーとアートの関係が語られて久しい中、映画やアニメの手法、そしてそのキャラクター達がアートシーンに登場する現状を見ると、美術館側の純粋な映画カルチャーへのアプローチは自然な成りゆきのように思われる。興味深かったのは、ブルックリン美術館でスター・ウォーズ展入り口となった、５階ギャラリー。そこには、ロダンのブロンズ彫刻が常設されており、それらが、スター・ウォーズのキャラクター、C-3PO やChewbacca等が並ぶ展示室へのプロローグのように感じられたからだ。様々なカルチャーが混在する現代、私たちにとって、より信憑性のあるアートとは何なのか考えさせられた。

（Yoko Yamazaki)