「前衛の道」
僕の著書 「前衛の道」 は1968年に美術出版社から出版され美術評論家中原祐介氏の長文解説と共に、日本の1950年代後半から1964年東京オリンピック頃までの日本の若者たちが世界の現代美術に目覚め取り込み一気に爆発した、すばらしい季節を躍動感を持って多数のイラストとで表現したもので当時の貧乏アーティスト達が体でぶつかった芸術行動の記録です。
篠原有司男
ひたむきなベラボウさ 岡本太郎
【前衛の道】発刊にあたり
1984年 個展にて
とにかく痛快な男
彼の大味とクソ馬力は、小味ばかりが通用する現代において、大変魅力的である。
篠原は自分の仕事をイミテーション・アートと名づけている。
「独創なんかできっこない。そんならイミテーションでいこう。毒皿だ!」
と彼はどなる。
とにかく若者たちが、アンチ絵画をカンバンに出てきたはずなのに、たちまちパターンの中にチョコン とおさまってしまう。
「芸術でございます。」 としなをつくっている。
その卑しさを逆手にとり、皮肉に使い分けて奮闘している篠原はまさに英雄だ。
アクション・ポップ・サイケとめまぐるしく変る美術界の層を、シャニムに駆けぬける彼のベラボウさは私はかう。