ダダ Dada
・ダダとは
第一次大戦中、ヨーロッパとアメリカに起こった、合理主義文明と社会体制そのものを否定し破壊しようとする運動。ダダイズムは破壊的なコラージュやオブジェなどをつくり出すことによって、その「白紙の状態(タブラ・ラーサ)」から、意識下の世界を通じて、シュールレアリスム(超現実主義)、パフォーマンス・アート、レディ・メイド(既成芸術)、コンセプチュアル・アート(概念芸術)など新しい創造へと導いた。ダダは様式というよりは、新しい世界観であった。
・ダダという用語
1916年にチューリッヒのキャバレー・ヴォルテールで、詩人ツァラや彫刻家ジャン・アルプらが辞典の中から偶然に拾った、何も意味しない言葉、「ダダ」を用いた。「ダダ」は様々な言葉においていろいろな意味を持つが、フランス語では「おもちゃの馬」、スラブ語では「はい、はい(yes, yes)」を意味する。
・ニューヨーク・ダダ(前期ダダ)
チューリッヒのダダ以前にNYでデュシャンはレディ・メイドなどをつくっていた。その芸術そのものへの否定精神は、第二次大戦後の作家に受け継がれた。