ネオ・ダダ Neo Dada
・新たなるダダ
20世初頭に世界を席巻した革命的なダダイズムは、20世紀中期以降にも確認できる。それはNYのネオ・ダダであり、並び称されるものとしてフランスのヌーヴォー・レアリスム、日本のネオ・ダダがある。
・ネオ・ダダ(NY)
1950年代中頃から1960年代中頃までの新しい表現のひとつ。美術雑誌「ART NEWS」が1958年にジャスパー・ジョーンズやロバート・ラウシェンバーグらの作品を説明するために使われたのが言葉のはじまりである。このネオ・ダダの言葉は、本来ダダがもっていた社会性や政治性からは遠いものであった。
抽象表現主義が全盛のころに、ジョーンズはアメリカ国旗や数字やアルファベットなどの記号やシンボルを用いて絵画表現を行い、ラウシェンバーグは日常生活のオブジェと素材としての絵具を合わせたコンバイン・ペインティングを行っていた。ネオ・ダダは、崇高さよりも、日常のありふれたイメージを取り上げ、アメリカの抽象表現主義からポップ・アートへの橋渡し的な役割を果たしていた。
・ヌーヴォー・レアリスム(フランス)
ヌーヴォー・レアリスムはピエール・レスタニーによって組織されイブ・クラインやアルマン、ジャン・ティンゲリ-らがいる。言葉の意味は「ニュー・リアリズム」であり、新現実主義となるが、1960年の宣言では、「現実を知覚するための新しいアプローチ」とだけ唱われており、このあいまいな定義は、彼らの芸術の多様性を表すのに適していた。それらの作品の特徴には、廃物や、日常のオブジェによるアッサンブラージュが挙げられる。
・ネオ・ダダイズム・オルガナイゼーション(日本)
1960年に読売アンデパンダン展に結集した篠原有司男、赤瀬川原平、荒川修作、三木富雄、吉村益信らによってネオ・ダダイズム・オルガナイゼーションは結成され、オブジェやハプニングを通して反芸術的な活動をおこなった。それはNYのネオ・ダダよりも反社会的な意図を明確にもっていた。