銅版画 COPPER PRINT
・銅版画とは
版材に銅板を用い、凹版の技法を主とした版画。特に下記の2つの技法が用いられる。
1. エッチング 線を腐食させる。ペンの素描に近く、繊細な表現が可能。
2.ドライポイント ニードルで直接線を彫り込む。
・エッチングとは
エッチングは、銅などの金属板の両面を防蝕液で覆い、ニードル等で皮膜を削り金属部分を出し、塩化第二鉄などの腐食液で腐食し、その溝にインクを詰めて円圧プレスで刷る技法である。腐食の度合いによって線全体の調子を変えることができる。繊細な表現ができること、比較的たくさんの枚数が刷れることもその特徴である。
エッチングが技法的に確立されたのは15世紀のヨーロッパにおいてであり、19世紀の写真製版ができるまでは、本などの視覚的メディアの中心となった。古くから彫刻や絵画は、宗教上の崇高性や王の権力の絶大さを示すためになくてはならないものであった。それらは教会や城に飾られ、理念を超えて見る者に畏怖の念を与えるのに十分に力をもっていた。また当時は文字の読めるものも少なかったことから、様々な理念や情報を伝えるための大量生産のできる良質な絵画として発展を遂げていた。
・ドライポイントとは
銅板やセルロイド板などにニードルで直接、線刻する方法である。特に線を彫るときにできる「まくれ」が、印刷時に独特のにじみを作り出す。しかし、このまくれは磨耗しやすく、まくれの活きた刷りという意味では、エッチングほど多く刷ることができない。
上記の2つの技法は、他の技法とは違い、素描のような勢いのある、あるいは繊細さのある、生きた線を版画で表現することに長けている。
版画 PRINT
版画は素描と違い、主に版を写し取ること、作品を複数つくることができることにその特徴がある。それは以下の4つの技法に大別される。
1. 凹版 版の凹部にインクをつけて表面をふき取り、円圧プレスにかけて刷りとる。
銅版画 エングレービング ドライポイント エッチング アクアチント メゾチント
2. 凸版 版の凸部にインクをつけて刷りとる。
木版画 紙版画 リノカット フロッタージュ
3. 孔版 インクの抜ける穴を作り、上から刷り込む。
シルクスクリーン プリントゴッコ ステンシル マスキング
4. 平版 平らな面にインクのある部分とない部分を作り、刷りとる。
石版画(リトグラフ) モノプリント デカルコマニー マーブリング
上記の版画の材料としては、プラスティック板やゴム板なども挙げることができる。
プリントの概念としては、写真やコンピューター・グラフィックスも含まれる。