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-CONCEPT-OLD記事

AAF(The Affordable Art Fair), New York

Pier 92(12th Avenue at 50th Street)

10/31- 11/3, 2002  


AAF会場風景

Photo© S. Yoshida

AAF会場風景

Photo© S. Yoshida

                        AAFは、ロンドンのコマーシャル画廊、ウィルズアートウェアーハウス(Will's Art Warehouse)によって1999年に発足した現代美術のアートフェアー。その名の通り,一般の人々にも購買可能な作品を対象とするのが特徴。本場ロンドンでは年々規模を大きくし,今では,ロンドンで最大規模のアートフェアーであるという。この秋、マンハッタンのウエストサイド、92埠頭にあるハイウェイ下の会場で、アメリカで初めてのAAFが開催された。今回の上限は、$5,000(約60万円)。

                        会場には、ニューヨークをはじめ、アメリカ各地、カナダ、ヨーロッパからの80を超えるギャラリーが並んだ。アジアからはベトナム,ホーチミンよりマイズギャラリー(Mai's Gallery)が,NYARTでも紹介したM.Y.アートプロスペクツ(M.Y. Art Prospects)とブースを同じくし、参加。フェアーに関連したイベントとして、アート・イン・ジェネラルなど、ニューヨークダウンタウンにあるいくつかの非営利団体も合同で展示を行った。  

M.Y. ART Prospects

Photo© S. Yoshida

AAF会場風景

Photo© S. Yoshida

Will's Art Warehouse

Photo© S. Yoshida

                        会場入り口すぐには、発足者のウィルズアートのやや大きなブースが設けられた。”ロンドンではやや伝統的な絵画が好まれるが、ニューヨークの嗜好はより抽象的”、という感想をもらしていたウィルズアートのスタッフ、ピクシ女氏は、フェアーにあたって欠かせないのは、市場調査だと言う。やはりロンドンから参加したクラファンアートギャラリー(Clapham Art Gallery) は、フォトリアリズム的な作品を描く、ジョー・バレット(Jo Barrett)を中心にブースを展開。クイーンズ移転前のモマ最後の展覧会を飾り,話題になったゲルハルト・リヒターを彷佛させるバレットの作品。バレットは、ロンドンでも第二のリヒターとして注目されているという。フェアーでは,しかし、ギャラリー個々の個性を主張することも肝心。モントリオールから参加したガレリエ・バーボン・ラリー(Galerie Bourbon-Lally)は、もともとハイチにてギャラリーをオープンした経由から、アウトサイダー的な現代アートを常に意識していると言う。ニューヨーカーへいかにアピールするか、それぞれのギャラリーの異なる視点は、ニューヨークのアート界を何らかの形で反映しているのではないだろうか。

 

Clapham Art Gallery

Photo© S. Yoshida

Galerie Bourbon-Lally

Photo© S. Yoshida

                        今回のニューヨークでのAAFフェアー、ビジネス雑誌、エコノミストには”大衆アート”といった見出しが付き、”It maybe cheap, but is it any good?-おそらく安い。だけどどこがいいの?”と、やや皮肉ぽっく取り上げられた。けれどもこのフェアーを一概に批判できるかどうか。美術館で日頃目にするアーティストの作品が驚くほどの値段で取り引きされる大々的なアートフェアーと、第二・第三のピカソがどこに潜在するのか、あるいは自身のピカソを気軽に探索できるこのようなフェアーを比べてみるのもおもしろいのでは。               

                        会場では、森川由加里さん率いる”芸術に恋して!”(テレビ東京)の取材班に遭遇。自身でも曲のイメージから着想したクレイアートを作る森川さん、NYARTの突然のインタヴューに、きさくに自分のポートフォリオまで見せてくれた。彼女は、AAFで次なる創作のインスピレーションを与えてくれる作品と出会えたようである。

                        (Yoko Yamazaki)

 

 

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