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-CONCEPT-OLD記事

日米の美術館とその館長の役割の違い

日本とアメリカの美術館の違いは、日本の美術館のほとんどが国又は地方自治体により設立されている。従って運営資金は国又は地方自治体の予算により決められているので、館長は美術大学出身か美術関係者、専門家が圧当的に多く、彼らはほとんど運営資金の為に努力する必要がない。それに反してアメリカではほとんどの美術館が私立であり資金集めに可成の時間と能力が問われる。グッゲンハイム美術館の館長トム・クレンなどは、1年の中半分は飛行機の中との噂があるほどである。その最たる例をメトロポリタン美術館でみてみる事にしよう。同美術館では1994年には300ミリオンドル(約315億円)だつたのが、今年は650ミリオンドル(約683億円)に跳ね上がつた。この寄付金はギリシャ、ローマギャラリーの修復とその拡張とキューレター(学芸員)の育成・教育と管理、維持費に100ミリオンドル(約105億円)があてられる。メトロポリタン美術館館長のフィリップ・ド・モンテベロは既に450ミリオンドル(約450億円)は集められたと述べ、この寄付金にはニューヨーク州からの6,1ミリオンドル(約6億4千万円)とニューヨーク市からの14,8ミリオンドル(約15億5千万円)が含まれ、今後30ミリオンドル(約31億5千万円)を追加する予定である。ド・モンテベロ館長は「これは本当に独創的なキャンペーンである」と語り、メトは資金豊富で、これ以上何も要らないとの神話を収縮させたとも述べた。又「この資金集めは終わりのないもので、このプロジェクトが終わった時点で又最初からやり直さねばならない」とも語った。
何ともアメリカらしいスケールの大きな話である。


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