メトロポリタン美術館のクリスマスツリー
Annual Christmas Tree and Neapolitan Baroque Crèche
at The Metropolitan Museum of Art
11/22,2005–1/8、2006
メトロポリタン美術館では、 恒例のクリスマスツリーが今年も美術館を訪れる人々の目を楽しませている。
Photo© S. Yoshida
毎年クリスマスのシーズン、メトロポリタンでは一階中世彫刻のホール中程にある聖歌隊スクリーン(18世紀スペイン)の前にツリーを設置する。 約6mのツリーには50体以上の天使が飾られ、そのツリーの足下には聖誕の3つのシーン(キリストの降誕、羊飼いたちの崇拝、三王の礼拝)を示す200体を超える人形(18世紀ナポリのバロック様式)が飾られている。 この展示、 北ヨーロッパのプロテスタントの間で広がったという伝統(クリスマスツリー)にローマ・カトリックの伝統であるキリストの生誕を示す飾りクレイシュ(Créche)を組み合わせた興味深いもの。 クレイシュのコレクター、故ロレッタ・ハイネス・ホワード女史(Loretta Hines Howard)のアイデアに基づいたもので、1957年彼女のコレクション展がメトロポリタンで開催された折、初めて公開された。1964年、彼女のクレイシュ・コレクションはメトロポリタンに寄贈され、以来クリスマスシーズンにはメトロポリタンで一般公開されるようになった。
Photo© S. Yoshida
ツリーとクレイシュの設置にはホワード女史が長い間個人的に関わっていたようだ。
彼女は1982年に亡くなるが、その後は娘のリン・ホワード(Linn
Howard)と孫にあたるアーティストのアンドレア・セルビ・ロッシ(Andrea
Selby Rossi)が引き継ぎ、メトロポリタンのツリーの飾り付けがホワード家のクリスマスの伝統にもなっているという。人形の数やデザインは年ごとに変わる。
メトロポリタンのクリスマス・ストーリーとしてもう一つ。通常月曜日はメトロポリタンの閉館日だが、クリスマスから元旦までの間ホリデープログラムとして今年月曜日の12/26が開館となる。アメリカの祭日は月曜日に重なることが多いが、メトロポリタンでは2006年の以下の祭日の月曜日にも開館を予定している:1/16(マーチン・ルーサー・キングJr. デイ)、2/20(プレジデント・デイ)、5/29(メモリアル・デイ)。 月曜の特別開館についてメトロポリタンのディレクター、モンテベッロ氏は、 公共へのホリデー・ギフトだと語っている。(Yoko Yamazaki)
Photo© S. Yoshida