ブルツクリン美術館「センセーシヨン」展の大論争 続編
11月1日に連邦政府ブルツクリン地方裁判官ニーナ・ガーシヨンが、ニユーヨーク市長ルドルフ・ジュリアニに対してブルツクリン美術館の「センセーシヨン」展の告訴に関して判事の意見を述べた。ジュリアニ市長の申し立ては憲法修正第1条に反するとし、次のように強制命令を下した。
余りにも高圧的であり、むしろ市長の方が神聖冒涜と考えられる、と38ページの判決文を読みあげその主旨は言論の自由、表現の自由を妨げるものとし、連邦政府の政策に反し、そのような考えを支持する事は出来ないとの判断を下した。
ジュリアニ市長は、この判断を不服とし上告手続し、まだまだ前回に書いた来年の上院選を睨み泥沼の中傷合戦が続くと考えられる。この判決文の詳細は、最後に判事の声明文の抜粋を掲載しますのでそちらを参照下さい。
美術館側の反応は「この判決はニユーヨーク市民にとり、また全国民の表現の自由にも勝利をもたらした」と理事長ロバート・S・ルビンは言った。その上「ニユーヨーク市民だけではなく、全国民がインテリで独立精神をもつてい、言論、表現の自由のもと我々がどのような展覧会を見、本を読み、好きな意見を述べる事を、我々自身が決める権利を認めた」ものと勝利宣言を行った。
書けば幾らでも話題、論議はありますが今回はひとまずこれにておきます。
ニーナ・ガーションのニユーヨーク市がブルツクリン美術館を告訴した件に関する強制命令書の抜粋:
* 憲法修正第1条に関して
市側がこの展覧会に対して予算をカツトするのは、この修正案に反する。
100年以上も市が貸している建物から強制立ち退き命を出すのは、全米2位のコレクシヨンを持つ美術館には現実味がないと却下。
* 美術館に対する予算停止に関して
この展覧会に対する市長の越権行為であり、大変危険な考えでもあるとし、修正第1条に反すると却下。
* 市民の権利
連邦政府に市民の権利に対して加入する権利は無いと前置きし、この権に対して市民が特定された意見に従う必要はまつたくない。その反論になるかもしれないが、連邦政府裁判所は言論の自由に関して同様の反対判決を下した事がある。
* 宗教に関して
やはり、この件も言論の自由の問題になり、美術館側の主張が認められた。