フィラデルフィア美術館
Philadelphia Museum of Art
Benjamin Franklin Parkway, 26th Street, Philadelphia, PA.
(215)763-8100
URL
http://www.philamuseum.org
休館日:月曜、祭日
火曜~日曜日:10:00 a.m.~5:00p.m.(水曜、金曜は8:45p.m.まで)
入館料:大人$10, 学生(I.D.提示),13~18才、シニア$7, 12歳以下無料
(日曜:ドネーション)
バーネット・ニューマン展
3月24日~7月7日, 2002年
Dorrance Special Exhibition Galleries, (美術館1F)
バーネット・ニューマン(1905ー1970)はジャクソン・ポロック、マーク・ロスコ、クリフォード・スティルとならび、抽象表現主義を代表するニューヨーク生まれのアーティスト。1950年、ベティー・パーソンズギャラリーで初個展を開催した折、ニューマンは既に45歳だった。アーティストとしては遅咲きだったといえる。しかもその個展の評価はけっしてよくなかった。しかし、30年にわたる制作活動で、彼は20世紀における最も影響力のあるアーティストの一人となった。
今回の美術展では、1940年代半ばの現存する初期の作品から、亡くなった1970年に描かれたものまで、絵画65点、ドローイング、プリント65点、そして彫刻6点を時代ごとに公開している。これは、世界各国に所蔵されているニューマンの作品がフィラデルフィア美術館に一挙に集められたもので、日本からは、川村記念美術館所蔵、幅6メーターを超えるニューマンの作品の中では最も大きな作品、Anna's
Light(1968 )が出品されている。川村に購入されてから今回初のアメリカでの展示になるという。ワシントンD.C. ナショナルギャラリーからはThe
Stations of the Cross、MoMaからは、Vir Heroicus Sublimis(1950-51)と晩年の彫刻、Broken
Obeliskなどが貸し出され、代表作がならぶ。彼の全制作を回顧する最初の展覧会となった。
Untitled
1944 or 1945
(49.2x 64.8cm)
Collection of David and Jennifer Stockman. Courtesy of Bruce White
©Philadelphia Museum of Art
ニューマンの初期のドローイング。有機的なモチーフは、シュールレアリストの影響をうかがわせる。
1948年、ニューマンは、キャンバスに垂直な一本の帯を描いた。その作品はニューマンに、絵画が何か具象的なイメージを表現するものではなく、作品自身が単一の核のようなものでありうると示唆した。後にニューマンはこの作品を、分割不可能な単位、”Onement"
と名付ける。その帯の形式は、彼の重要なスタイルとなり、ニューマンはこれをジップ”と呼んだ。
Adam
1951/52
(242.9x 202.9cm)
Tate, London. Courtesy of The Barnet Newman Foundation.
©Philadelphia Museum of Art
Uriel
1955
(243.8x 548.6cm)
Courtesy of The Barnet Newman Foundation.
©Philadelphia Museum of Art
The Stations of the Cross
Lema Sabachthani
1958-66
参考写真。National Gallery of Art, Washington, D.C. にて撮影。
大学時代哲学を専攻したニューマンは、独自の絵画理論を展開し、その作品は当時難解といわれた。しかし、興味深い事に、ニューマンの作品の力強さが評価されるきっかけは、1960年代のミニマル、ポップアートの出現だった。21世紀の現在、ニューマンのカタログ・レゾネの出版がいそがれ、本格的な再評価がなされようとしている。
(Yoko Yamazaki )
Broken Obelisk
1963-67
Cor-Ten steel
The Museum of Modern Art, New York.
フィデルフィア美術館正面から撮影。背景は、フィラデルフィア市街。
Chartres
1969
(305x289.5cm)
Daros Collection, Switzerland. Courtesy of Bruce White
©Philadelphia Museum of Art