リチャード・タトル:3人のための部屋
11/6、2004~2/26,
2005
Richard Tuttle: It's a Room for 3 People
ドローイング・センター
The Drawing Center
35 Wooster Street, New York, NY 10013
展覧会は2部構成となっていて、第一部は昨年11月6日本館で開催され、第2部は本館正面の別館で1月28日にオープンした。
Richard Tuttle, Village III,
2003 (detail)
Installation view of “Richard Tuttle: It’s a Room for 3 People” at The Drawing
Center
Photo by D. James Dee
会場に並んだ小さなドローイングは、鉛筆やチャコール、あるいは水彩やガッシュなど様々なメディウムで描かれている。木片や脱脂綿などを用いたレリーフもあり、それぞれが何かの断片のように見える。立体作品もあり、一面をペイントした壁もある。タトル特有のはぐらかしなのだろうか、一見何の脈絡も無いように見える。
Richard Tuttle, Village III, No. II, 4,
2004
acrylic, bass wood, graphite, paper pulp, wood dowels
4 x 4 x 5/16 inches
Courtesy Sperone Westwater
タトルが問い続けるテーマに”見えるもと見えないもの”がある。
彼は”小さすぎて見えないものと大きすぎて見えないものには違いがない”とも語る。今回の新作はドローイングの概念を根本から問い直すものとして紹介されている。タトルにとってのドローイングとは作品のサイズやメディアにかかわりなく、見る側が作品との経験の中で発見するもののようだ。
Richard Tuttle, Village III, No. II, 7,
2004
acrylic, aluminum foil, balsa wood, bass wood, ink, metal pins, wire, wood
dowels
4 x 4 x 1 inches
Courtesy Sperone Westwater
フロリダマイアミビーチでのタトルの初のパブリックアートプロジェクト(しかも巨大な)モザイク壁画”Splash"が完成されたとのこと(奈良美智もプロジェクトに参加している)。このニュースの後、今回のドローイングが、そのプロジェクトの青写真のようにも思える。タトルの語る”見えるものと見えないもの”の関係は、見えそうで見えないアートと社会の関係にも似ている。
(Yoko
Yamazaki)
Richard Tuttle, Village V, 2004 (detail)
Installation view of “Richard Tuttle: It’s a Room for 3 People” at The Drawing
Center
Photo by Cathy Carver