コンスタンティン・ブランク-シ:物体のエッセンス展
6/11~9/19, 2004)
Constantin Brancusi: The Essence of Things
グッゲンハイム美術館
Solomon R. Guggenheim Museum, New York
展覧会風景
Photo © S. Yoshida
ブランク-シ(1884-1920)は、抽象彫刻を追求したアーティストとして知られている。しばらくロダンに師事するも、その写実表現に飽き足らず,彫刻の素材に関心を向け、木や石による抽象形体に傾倒していった。ブロンズがアカデミズムの象徴であれば,木や石を彫る行為はプリミティブ(原始的/未開的)な民芸に通じる低俗なものと考えられた時代。ブランク-シは権威的、伝統的価値感に対抗した前衛アーティストの一人だった。
King of Kings
ca. 1938.
Oak,
118 3/8 x 19 x 18 1/8 inches (300 x 48.3 x 46 cm).
Solomon R. Guggenheim Museum, New York. 56.1449
本展では作品がテーマごとに並べられている。同じモチーフの中で具象的表現が残るものとより抽象的なものとが比較でき、ブランク-シの抽象への関心の推移が見て取れる。全体としては、素材への視点があまり語られていないような印象をもったが、形体への関心は十分に示された展覧会だった。
Maiastra
1912.
Bronze,
21 7/8 x 6 3/4 x 7 inches (55.5 x 17 x 17.8 cm);
two-part limestone base: 13 1/8 x 8 5/8 x 7 1/2 inches (33.5 x 22 x 19 cm).
Tate, London, Purchased 1973.
The Kiss
1916.
Limestone,
23 x 13 1/4 x 10 inches (58.4 x 33.7 x 25.4 cm).
Philadelphia Museum of Art, The Louise and Walter Arensberg Collection, 1950.
夏休みシーズン中、観光客も多く、「キス」の前で抱き合うカップルも見られた。ライテイングをふくめたインスタレーションは、シンプルながら心地よくまとめられ清涼感を感じた展覧会だった。(Yoko
Yamazaki)
Sleeping Muse III/IV
ca. 1917–1918.
Marble,
7 1/16 x 11 5/8 x 6 5/8 in. (18 x 29.5 x 16.8 cm).
Private Collection.
「眠れる妖精」。
長らく個人蔵としてブランク-シの死後公にされていなかったが本展で初めて公開され注目されている。
Torso of a Young Girl II
1923.
White marble,
13 3/4 x 9 3/4 x 6 inches (34.9 x 24.8 x 15.2 cm).
Philadelphia Museum of Art,
A. E. Gallatin Collection, 1952.